理事長コラム

門司誠一の思いをつづります。

  • 2026.03.17

     介護福祉士養成施設の卒業者に対し、国家試験に不合格でも一定期間資格取得を認める経過措置が、さらに5年間延長されることとなりました。深刻な介護人材不足の現状を考えれば、現場を支えるための苦渋の判断であることは理解できます。実際、多くの介護現場では人材確保が年々難しくなっており、制度の急激な変更は現場の混乱を招きかねません。

     一方で、国家資格のあり方という視点から見れば、複雑な思いも残ります。本来、国家資格は専門職としての知識や技能を一定の水準で担保するための制度です。試験という客観的な基準によってその水準を示すことが、資格の信頼性を支えてきました。経過措置が長く続くことで、資格の位置づけが分かりにくくなってしまうのではないかという声が現場から聞かれるのも事実です。

     また、今回の延長の背景には、外国人材の活用が広がる中で日本語による国家試験の壁が高いことなど、制度と現実の間にある課題も見えてきます。介護現場において外国人材はすでに重要な存在となっており、その力なくして現場が成り立たない地域も少なくありません。しかし同時に、国家資格としての基準をどう守っていくのかという問題も残されています。

     こうした状況を見ると、今回の延長は単なる制度の延命ではなく、介護人材政策そのものを見直す契機として受け止める必要があるのではないでしょうか。国家資格としての信頼性を保ちながら、人材を確保するという課題は決して容易ではありません。しかし、それを両立させる仕組みを整えることこそ、これからの政策に求められているように思います。

     行政には、まず養成教育の充実や国家試験に向けた支援体制の強化を一層進めていただきたいと考えます。とりわけ外国人材に対する日本語教育や学習支援の充実は、資格取得の機会を広げるうえでも重要です。また、介護職の処遇改善や職業としての魅力向上を図り、日本人を含めた多様な人材が介護分野を目指しやすい環境を整えることも欠かせません。

     介護は人の尊厳を支える大切な仕事であり、その質を守ることは社会全体の責任でもあります。人材不足という現実に向き合いながらも、専門職としての価値をどう維持していくのか。今回の経過措置の延長をきっかけに、行政、教育機関、そして私たち介護現場が共に知恵を出し合い、持続可能な制度を築いていくことが求められているのではないでしょうか。

  • 2026.02.06

     このたび、私自身が生まれて初めて入院を経験しました。
    病室で過ごす時間の中で、これまで当たり前のように思っていた健康が、決して当然のものではなく、多くの人の支えによって成り立っていることを、改めて実感いたしました。

     身体が思うように動かず、不安を抱えながら過ごす中で感じたのは、医師や看護師、他医療関係者の皆さまの専門的な対応はもちろん、何気ない声かけや気配りが、どれほど大きな安心につながるかということでした。この経験は、私たちが日々取り組んでいる介護や保育の現場にも、深く通じるものがあると感じています。

     高齢者介護の分野では、年齢や病気により不安や不自由さを抱える方々に、安心して生活していただくための支援が求められます。一方、保育の分野では、子どもたちの健やかな成長を支えるとともに、保護者の不安や悩みに寄り添うことが欠かせません。対象は異なりますが、「相手の立場に立ち、心に寄り添う」という点において、介護と保育は同じ理念のもとにある事業だと、今回の経験を通じて改めて感じました。

     健康は、失ってからその大切さに気づくものと言われます。スイスの文学者・哲学者であり、19世紀の知識人として非常に影響力のある人物である「アミエル」は、「健康には自由がある。健康はすべての自由で第一のものである。」と言っています。アミエルの言葉は、健康が人生における最も基本的で重要な自由であることを示しています。健康を失うと多くの活動や選択が制限される可能性があり、物理的な制限や病気による苦しみが私たちの自由を奪います。逆に、健康な状態であれば、さまざまな選択肢にアクセスできるため、人生の中での自由度が大きく広がります。アミエルは、健康を最も基本的な自由の条件として強調しているのです。

     そして、今回の入院中に今から40年以上前の会話を思い出した。大学の先生から声を掛けられ「お前、好きなもの食ってるか?」と問われた。「もちろん食べてますよ。」と答えると、「お前、健康だな。健康を失うと食べ物に規制がかけられるから‥羨ましいな。」この会話には、若者の健康を案ずる先人の心が籠められています。

     今回の入院経験を一つの糧として、今後も職員一同、介護・保育それぞれの現場において、身体だけでなく心にも寄り添う支援を大切にしながら、より質の高いサービスの提供に努めてまいります。引き続き、皆さまのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

  • 2026.01.23

    新年あけましておめでとうございます。
    皆さまにおかれましては、健やかに新しい年をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。

    日頃より、当法人の高齢者介護サービスならびに保育事業をご利用いただき、深く感謝申し上げます。
    ご利用者の皆さま、そしてご家族の皆さまの温かいご理解とご協力に支えられ、私どもは日々の歩みを重ねることができております。

    高齢者介護の現場では、「その人らしく、安心して過ごせる毎日」を大切にし、職員一同、心を込めた支援に努めてまいりました。
    また保育の分野におきましては、子どもたち一人ひとりの成長を見守り、笑顔と学びにあふれた環境づくりを心がけております。

    本年も、利用者の皆さまの声に真摯に耳を傾け、地域に根ざした社会福祉法人として、信頼されるサービスの提供に努めてまいります。
    小さな気配りを積み重ね、大きな安心へとつなげていく一年にしたいと考えております。

    結びに、新しい年が皆さまにとって、健康で穏やか、そして希望に満ちた一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

    本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

  • 2025.12.29

    本年も残すところ、あとわずかとなりました。
    利用者の皆さま、ご家族の皆さまには、日頃より当法人の高齢者介護事業および保育事業に深いご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

    高齢者介護の現場では、皆さまが安心して毎日を過ごしていただけるよう、職員一同、心を込めて支援に努めてまいりました。また保育の現場では、子どもたちの健やかな成長と笑顔を何より大切にしながら、一日一日を積み重ねてまいりました。

    本年も、感染症対策や社会情勢の変化など、さまざまな課題がありましたが、皆さまの温かなお支えとご協力により、無事に一年を締めくくることができましたことを、改めて感謝申し上げます。

    来る年も、「人を大切にする福祉」の原点を忘れず、地域に根ざした法人として、より安心で信頼されるサービスの提供に努めてまいります。

    年の瀬を迎え、寒さも一段と厳しくなってまいりました。どうかお体に十分お気をつけいただき、穏やかな新年をお迎えください。

    本年一年のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、皆さまのご多幸を心よりお祈り申し上げ、年末のご挨拶といたします。

    社会福祉法人健翔会 ひまわりの園 コスモスの園