理事長コラム

門司誠一の思いをつづります。

  • 2023.07.07

     近年の災害は地球温暖化の影響もあり、住宅地に流れ込む濁流、河川の氾濫等、今までに目にすることが出来なかった光景が毎年のように報道される。過去にも佐賀県では武雄市、多久市、大町町等にも甚大な被害が広がった。災害発生時に避難が遅れ大きな被害を受けやすいのは、災害時要援護者と言われる高齢者や障害者、乳幼児、傷病者、外国人などで、なんらかの手助けが必要な方である。

     災害時に要援護者を災害から守るために、日ごろから地域で協力し対策を考えておくことが重要で、特に在宅で暮らす要介護認定を受けている高齢者の避難は難しく、災害に備え、「避難行動要支援者」一人ひとりについて、避難場所、避難ルート、避難を手助けする方(避難支援者)などを市町村、地域包括支援センター等と連携し、個別支援避難計画として定めておく必要がある。

     過去の災害を教訓にして、自治体やメディアも避難支援を迅速かつ的確に行うための体制を平常時から整え、早期の避難所開設や避難指示等がなされているが、私ども事業主も予想を超える災害に準備を怠らぬよう努めたい。

    2023当法人七夕飾り
  • 2023.07.06

     本法人は、平成11年に訪問介護事業に参入し、平成29年に事業停止を決定した。

     本来、国が推奨する地域包括ケアシステムの中心的な役割を担う事業が「訪問介護」だと思っているが、平成16年以降の「介護給付適正化事業」で特に生活援助に厳しい目が向けられ、サービス内容の範囲や提供時間が定められた。

      まず、最も問題なのは単体の事業として経営が出来ないことで、その最たる理由は介護報酬の単価が低いことである。複数の事業所を持ち、赤字を補填して事業を継続している事業所も多く存在する。さらに人材不足が拍車をかけ、新しい人材の確保は困難を極めている。在籍する職員の年齢も上がり、若い人材の確保が今後の課題だと思う。

     訪問介護事業に従事する職員は、利用者からの難題を解決し、時にはハラスメントを受けながらも奮闘するスキルの高い職員である。今現在の若い世代が、このような状況に足を踏み入れることは困難であろう。事業所の所要定員を満たせない事業所もあり、今後の介護人材不足は深刻である。

     高齢者人口の増加が激しい現在、2000年から始まった介護保険制度における在宅サービスは転換期に来てると思う。今後は、「介護業界の人材不足の解消」と「生計が成り立つ事業」に好転することを期待したい。

    当時のホームヘルプサービス事務室
  • 2023.07.04

     平成23年4月に虹の子保育園を設立し、本法人の保育事業も一段落するも、鳥栖市は待機児童解消を目的に平成29年4月開所で市内2か所の保育所設置計画を発表する。当時の理事長は、いち早く手を挙げ、事業計画に着手する。平成27年9月に鳥栖市から「保育供給量の確保方策案」の審査を行った結果、本法人は事業採択され、平成29年4月1日の開園に向け新設計画が始まる。事業建設予定地は、本法人健翔会の真向かいにある平成21年に購入した法人所有地である。

     新設予定の保育園も当法人保育園の「虹」をイメージした名称を考え、ギリシア神話に登場する虹の女神の「イーリス」の日本語読みである「あいりす保育園」と命名した。

     併せて、あいりす保育園内に子育て支援センター「ありがとう」、放課後児童クラブ「にじのひろば」を開設し、第3期保育事業がスタートする。

  • 2023.07.04

     子育て支援センターは、児童福祉法を根拠とする地域子育て支援拠点事業の一つとして設置された施設である。担当する職員を配置し、子育て家庭等に対する育児不安等についての相談指導、子育てサークル等への支援、地域の保育需要に応じた特別保育事業等の積極的な実施・普及促進及びベビーシッターなどの地域の保育資源の情報提供等、並びに家庭的保育を行う者への支援などを実施することにより、地域の子育て家庭に対する育児支援を行うことを目的とする。

     本事業の実施主体は、市町村であるが、市町村長が保育所を運営する本法人を指定し、平成20年4月、学校法人九州アカデミー学園の校舎を借用して、基里小学校校区に子育て支援センター「きらら館」、平成21年4月には鳥栖北小学校校区に子育て支援センター「オンリーワン」を開所した。

     当時の理事長は、平成20年に2か所目の保育園を鳥栖市弥生が丘地区で計画するも、鳥栖市から採択されず断念。しかし採択されなかったためか事業意欲に火が付き、平成23年とうとう2園目となる保育園を定員90名で開園する。

     2園目となる保育園は、鳥栖市の中心部に位置し、鳥栖北小学校に隣接する文教ゾーンである鳥栖市古野町に設置することを目指した。平成18年に開園したレインボー保育園では、開設に伴う建設計画に不備が多く、保育事業運営に初めて参入する当法人は失策の連続であった。これを糧として建設計画では設計業者を替え、ハード面の整備に力を入れて「虹」の英語読みの「レインボー保育園」に続き、「虹の子保育園」と命名し設立した。

    平成23年虹の子保育園竣工