理事長コラム
門司誠一の思いをつづります。
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2023.07.13
私は1980年頃から2003年までの約20年間喫煙者であった。職場では、ストレスによってタバコの本数が増え、1日80本を超えるヘビースモーカーになっていた。当時は、至る所に灰皿があり、喫煙には寛容な時代だったが、今思えば身体への影響は大きく、顔の皺、皮膚の痒み、手荒れ、口唇の乾燥、歯肉出血、匂いへの鈍麻、体重減少、そして強烈な胸痛に見舞われた。内科医との問診で「一生分のタバコを吸ったから、もうそろそろ止めても…」と言われ、禁煙を決意し、今も継続中である。
2019年日本人の喫煙率も男性27.1%・女性7.6%となったが、我が国の受動喫煙対策https://kensyoukai.or.jp/column/wp-content/uploads/2023/07/受動喫煙対策.pdfも進み、街で喫煙者を見かけることも少なくなった。1980年の死因順位において第1位は脳血管疾患、第2位は癌、第3位は心疾患であるが、2020年の死因順位の第1位は癌、第2位は心疾患、第3位は老衰と続き、疾病構造も変化し、国民の健康意識の高まりから喫煙者が減り、併せて幼少期からの禁煙教育も実を結んでいると思う。
2006年から禁煙治療が保険適用となり、喫煙を単なる「習慣」ではなく「ニコチン依存症」として診断し「疾病」と捉えるようになった。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、進行の改善と症状の阻止には禁煙は必須であり、症状が進めば、在宅酸素療法も必要となってくる。
禁煙するメリットは「起床時のダルさがなくなる。」、「食べ物の味が判る。」、「風邪にかかりにくい。」、「匂いに敏感になる。」など良いことだらけである。たばこは嗜好品であると言う人がいるが、嗜好品とは味覚や嗅覚を楽しむために飲食される食品・飲料のことである。つまり、コーヒー味、フルーツ味など香りづけできるものであり、「たばこ味」の食品はこの世に存在しない。
これだけタバコには害があるといわれても「自分だけは病気にならない」「たばこを吸っても長生きする人がいる」等と思い込み、都合のよい情報をもち、タバコの害を小さく考える。喫煙者はリスクに対する非現実的な楽観主義者である。
たばこに含まれるニコチンは依存性のある薬物である。喫煙者の中にはたばこを止めたい人も禁煙に失敗した人もいると思う。しかし、失敗しても何度でも禁煙にチャレンジして、諦めずにニコチン依存からの脱却を目指してほしい。禁煙で失うものは何もなく、あるのは禁煙による健康である。
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2023.07.07
近年の災害は地球温暖化の影響もあり、住宅地に流れ込む濁流、河川の氾濫等、今までに目にすることが出来なかった光景が毎年のように報道される。過去にも佐賀県では武雄市、多久市、大町町等にも甚大な被害が広がった。災害発生時に避難が遅れ大きな被害を受けやすいのは、災害時要援護者と言われる高齢者や障害者、乳幼児、傷病者、外国人などで、なんらかの手助けが必要な方である。
災害時に要援護者を災害から守るために、日ごろから地域で協力し対策を考えておくことが重要で、特に在宅で暮らす要介護認定を受けている高齢者の避難は難しく、災害に備え、「避難行動要支援者」一人ひとりについて、避難場所、避難ルート、避難を手助けする方(避難支援者)などを市町村、地域包括支援センター等と連携し、個別支援避難計画として定めておく必要がある。
過去の災害を教訓にして、自治体やメディアも避難支援を迅速かつ的確に行うための体制を平常時から整え、早期の避難所開設や避難指示等がなされているが、私ども事業主も予想を超える災害に準備を怠らぬよう努めたい。
2023当法人七夕飾り -
2023.07.06
本法人は、平成11年に訪問介護事業に参入し、平成29年に事業停止を決定した。
本来、国が推奨する地域包括ケアシステムの中心的な役割を担う事業が「訪問介護」だと思っているが、平成16年以降の「介護給付適正化事業」で特に生活援助に厳しい目が向けられ、サービス内容の範囲や提供時間が定められた。
まず、最も問題なのは単体の事業として経営が出来ないことで、その最たる理由は介護報酬の単価が低いことである。複数の事業所を持ち、赤字を補填して事業を継続している事業所も多く存在する。さらに人材不足が拍車をかけ、新しい人材の確保は困難を極めている。在籍する職員の年齢も上がり、若い人材の確保が今後の課題だと思う。
訪問介護事業に従事する職員は、利用者からの難題を解決し、時にはハラスメントを受けながらも奮闘するスキルの高い職員である。今現在の若い世代が、このような状況に足を踏み入れることは困難であろう。事業所の所要定員を満たせない事業所もあり、今後の介護人材不足は深刻である。
高齢者人口の増加が激しい現在、2000年から始まった介護保険制度における在宅サービスは転換期に来てると思う。今後は、「介護業界の人材不足の解消」と「生計が成り立つ事業」に好転することを期待したい。
当時のホームヘルプサービス事務室 -
2023.07.04
平成23年4月に虹の子保育園を設立し、本法人の保育事業も一段落するも、鳥栖市は待機児童解消を目的に平成29年4月開所で市内2か所の保育所設置計画を発表する。当時の理事長は、いち早く手を挙げ、事業計画に着手する。平成27年9月に鳥栖市から「保育供給量の確保方策案」の審査を行った結果、本法人は事業採択され、平成29年4月1日の開園に向け新設計画が始まる。事業建設予定地は、本法人健翔会の真向かいにある平成21年に購入した法人所有地である。
新設予定の保育園も当法人保育園の「虹」をイメージした名称を考え、ギリシア神話に登場する虹の女神の「イーリス」の日本語読みである「あいりす保育園」と命名した。
併せて、あいりす保育園内に子育て支援センター「ありがとう」、放課後児童クラブ「にじのひろば」を開設し、第3期保育事業がスタートする。